刑務所の中(2002年/ザナドゥ)
『願いまーす!
願いまァーす!
用便願いまァ~す!!』
受刑者の日常を独自の視点・感性で描いた漫画『刑務所の中』。
これが実写映画化されていたとは知らなんだ。
さっそくレンタルして観賞してみる事にしますた。
注視すべきはいかほどに原作再現度が高いか、そして癒されるか。
『願いまーす!
願いまァーす!
用便願いまァ~す!!』
受刑者の日常を独自の視点・感性で描いた漫画『刑務所の中』。
これが実写映画化されていたとは知らなんだ。
さっそくレンタルして観賞してみる事にしますた。
注視すべきはいかほどに原作再現度が高いか、そして癒されるか。
この映画の原作については以前の日記でもチコッと書いたのですが、
刑務所という重っ苦しい題材を扱っているにも関わらず作風が底抜けに明るいのが特徴。
イチに規則二に規則、破れば懲罰おカミの怒号、弱肉強食を地でいく房内囚人同士の縦社会…と、
私達が真っ先にイメージする刑務所の描写も(一応)あるにはあるけんども
それよりも何よりも描かれるのは囚人の日常、キビシー規則の中でいかに工夫して過ごすか、
バクシャリに醤油かけて食うとうなるほど美味いとか
毎日の食事のメニューを虫眼鏡使わねば見れぬほどに細かく記されたメモとか
風呂の時の他の受刑者の乳首観察とか
死ぬほど用が足しづらい設計最悪の便器とか
ほぼ甘味断ちの環境下で和菓子のCM観て身悶えるとか、
むしろ『ムショの方が快適なんじゃね?』と思わせるほどの構成で
作者ハナワさんのすさまじい観察力を窺わせますね。
同じく刑務所を題材にした映画『ショーシャンクの空に』で、〝収容病〟て言葉が出てきましたが、
こんだけ塀の中をエンジョイしてると逆に慣れすぎて出所した時ちゃんと社会復帰できるのか不安になっちゃいます。
『あ~~~~~すごく充実してる。
誰とも会わなくていいし仕事は頭も使わないし
これは自分にピッタリの場所だな。・・・
実録マンガということで言わずもがな作者は前科もちという事になりますが
今更その事を槍玉に挙げるのは野暮ってもんでしょう。
自身の経験を血肉として作品に還元して提供してくれたのですから。
『経験はリアリティを作品に生むッ!』って仙台在住のどこぞの天才マンガ家も言ってますし。
う~~~ん
まあ三日もワンワン泣けばあきらめつくな…。』
そんなユル~い作風を実写版でも如実に再現してくれました。
主人公ハナワさん(演:山崎努)の適度に気の抜けたナレーションが和やかさをいや増しています。
ホント、観てて癒されましたね。刑務所の話なのに。
ぶっちゃけストーリーなどあって無いようなもんですから、このノリならもう10分くらい尺のばして
原作の懲罰房の便器に対するグチとかもやってほしかったなあ。
個人的にツボったのが工場での『願います』のエピソードには腹かかえて笑いました。
原作でも爆笑しましたが映画ならではの演出で破壊力倍増。
癒しが欲しい時にまたレンタルしたいと思います。
『出所してさあ、シャバでも「願いま~す」って言うような気がしない?
…おれ、ついうっかり言っちゃうような気がするんだよね。』
余談ですが、この作品と前後して、『おくりびと』、『地震列島』と立て続けに観たので
自分の中でちょっとした山崎努ブームが訪れました。
次は念仏の鉄でも観るか。
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コメント
念仏の鉄ですか~今ならツタヤやゲオに大概登場作の「必殺仕置人」や「新必殺仕置人」が置いてあるので比較的視聴しやすいですね。どちらも魅力的な作品ですが個人的には「新仕置人」をおすすめします。最終回の鉄の壮絶な生きざまだけでも見る価値が十分にあると思いますから。
posted by ホリイat 2010/08/02 22:27 [ コメントを修正する ]
> レバニラさん
げに悲しきはDVD・BD化にあたって淘汰忘却の彼方に散ってゆくマイナー作品の数々よ。
これもゴルゴムの仕業である。
> ホリイさん
仕事人シリーズはすったげ話数が多いのでオススメを推挙してくれるのはありがたし。
出来れば全話観るのが本当でしょうがなかなかに時間が取れぬのをご容赦願いたい。
あと昔出た鉄のフィギュア欲しいです。
げに悲しきはDVD・BD化にあたって淘汰忘却の彼方に散ってゆくマイナー作品の数々よ。
これもゴルゴムの仕業である。
> ホリイさん
仕事人シリーズはすったげ話数が多いのでオススメを推挙してくれるのはありがたし。
出来れば全話観るのが本当でしょうがなかなかに時間が取れぬのをご容赦願いたい。
あと昔出た鉄のフィギュア欲しいです。
posted by えびすat 2010/08/04 00:43 [ コメントを修正する ]
今調べたらどっちもDVD化されてねぇよ、ケッ。